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2006年3月 6日 (月曜日)

算数に読解力は必要か

この問いについては、少し前までは「NO」でした。

算数について、よくご父母に質問されることのうちのひとつですね。

国語の読解力と算数の読解力はまったく別物で、国語の読解力が直接算数の得点力と結びつくことはありません。

以前はそう答えていました。

これ自体は今も間違ってはいないと思います。

しかし、ここ数年、やはり「ゆとり教育」の影響はなのでしょうが、国語の読解力以前のところでひっかかっている子どもが増えてきたように思います。

根本の読み書きの力、とくに読みの部分が極端に弱いようであると、当然これは算数を解く上でも支障が出てきます。

少なくとも十数年前では聞いたことがないような質問を、近年聞くことが多くなってきました。

まず、問題を解かせてみるとただの一行問題なのですが、

「これどういう意味?」

特別に難しいことは聞かれていなくても、何を解答として答えるべきなのか判断できないようです。

思わずびっくりするような解答の例としては、次のような問題とその解答があります。

(問題) 6%の食塩水200gと11%の食塩水300gをまぜると何%の食塩水ができますか。

(解答)できます。(あるいは、できません。)

??ですよね。実例です。

これについては複数います。

しかしこのくらいであれば、よくある問題については、問題を解いていくうちに問題慣れしてきます。何を答えるべきかは学習していきます。

これはしかし、国語の読解力以前の問題かと私は思うのですが。

100マス計算や漢字の書き取りなどがことさら話題になるのは、このようなところに根があるのではないでしょうか。

十数年くらい前なら、本当の基礎学力部分は100マスなどやっていなくても同じ量くらい学校や家庭でやっていたのかもしれません。

そういった意味で、今、100マス計算や漢字の書き取りなど貴重になっているのでしょうね。

100マス計算自体は昔からありました。

塾講師なりたての頃(私はまだ学生アルバイトでした)、授業についていけず何事においても遅い子が受け持ちました。

字を書くのも遅ければ、消しゴムで字を消すのにも時間がかかる、そんな子でした。

悪い同僚が国語を持っていたのですが、その子の消しゴムを使う姿をよく物まねしていたくらいです。

ある日、ふと何かの本で100マス計算を見つけ、その子の顔が浮かびました。

当時はパソコンどころかワープロさえありませんでしたから、自分でマスを作り大量にコピーしてその子にやらせました。

その子はまだ確か小4でしたが、これが非常に効果的でした。

「先生のおかげで、すごく算数ができるようになって」

気さくな(失礼かもしれませんが)純朴そうなお父さんから感謝の言葉を何度もいただきました。

それは塾講師として初めての経験でしたから今でもよく覚えています。

話をもとにもどしましょう。

100マス計算などは、子どもによっては非常に効果を発揮します。

基本の計算力は、子どもによって量は違うのでしょうが、算数の問題を解くための素地として最低限やるべき量があります。

それをやらないといくら問題を習っても習得していかない、または理解が遅くなります。

同じように読み書きも最低限つかんでおく量があります。

読解力と言うよりも、基本の読み書きの力があるかどうかの確認が必要ですね。

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