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2006年5月24日 (水曜日)

寝てしまう子どもたち。その1

~掲示板から~ いち家庭教師さんに。

楽しい授業、活気のある授業が信条である私にも、過去に何人か、常習的に寝てしまう子どもを教えた経験があります。

その子どもたちのことを思い出しながら、ご紹介することで、少しでも参考になることがかければ幸いです。

A君は5年から担当しました。

人数はそれほど多くはなく、なかなか優秀なクラスで、御三家をはじめみんな第一志望に合格してくれました。

A君は、その中で成績は中位くらいだったと思います。

5年の頃はなかったのですが、6年のちょうど今くらいからでしょうか、授業中、説明していると、つい、うとうと寝てしまうことが多くなりました。

6年になり、生活がハードになったせいもあるのでしょう。

また、野球少年でしたから、学校でもめいっぱい体を動かしてくるのでしょう。

「お、今日も睡眠学習か? 寝ながら算数を得意にするワザを習得できたのかな」

説明の合間に、そんな冗談を投げかけ、起こすことが多くなりました。

育ち盛りの子どもの中には、じゅうぶんな睡眠が必要で、それが上手に取れずに、どこかでそれを埋める必要があるのかもしれません。

もちろんそれが塾の授業中であることが問題なのですが。

それなら、受験もやめて、家で寝てなさい。

そんなことは言えません。

ご家庭の方針と本人の意思によって、ここにいるわけです。また、その応援をするために私も目の前にいるわけです。

早稲田実業で野球をする、それがA君の受験の動機でした。

しかし、夏期講習から、さらにそれがひどくなってきました。

演習の時間に、鉛筆を持ったまま半分も問題を解かないまま寝てしまうのです。

はじめにそれを見たときはわざとそのまま寝かせておきました。

他のみんながしっかり点数を重ねている間に自分は惰眠で悪い点を取る、それで反省するかな、と。

ところが彼は大物でした。そんなことはこれまでに何度もあったのですね。

じっさいYTテストでも、とんでもない成績を取ったときは本人に聞くまでもなく、クラスの友だちから「またAは途中で寝てたんだよ、先生」

そうだった。大物だった。

さすがに合不合判定テストのような大きなテストでは寝なかったようですが。

その次からは起こすことにしました。

話は前後しますが、当然、ご家庭の方にも、彼の生活時間がどうなっているか、特に睡眠時間は確保できているのかは聞いていました。

特に問題はないどころか、他の受験生に比べて多くはあっても少ないことはなさそうでした。

さらに、考えてみれば当たり前かもしれませんが、学校でも授業中よく寝ているようで、学校の先生からも報告があったとのこと、つねに眠い状態が続いているようです。

ただ、近年話題の睡眠時無呼吸症候群のような病気ではないとのことでした。

寝てしまうのは、何らかのプレッシャーに対する彼なりの自己防御なのでしょう。もちろん大きくは受験のせいかも知れません。

さて起こすことにはしたものの、ただ起こしているだけでは何だか拷問のようです。
そこで彼だけの特別ルールを作りました。

演習時には、

指定した問題だけは解くこと、それだけ解いたら寝てもよい。

指定問題で解けなかった問題は解き直しをやって見せて帰る。

がんばりたいと思ったら、自由に顔を洗いに行ってよい。

授業時には、

どうしようもなく眠たいときは手を上げること。

先生が声をかけたときは1分寝てもよい。

眠たくなってまずいと思ったら、自由に立ってよい。

おしぼりを自分で持ってきたら自由に顔をふいてよい。

さほど効果的ではなかったですが、寝るな、という方針から、寝てもよい、と変わったことで多少は精神的に解放されたところはあったようです。

「1分寝てもよい」はあとで聞くと良かったそうです。

ごく短時間うたた寝をすると数時間寝たように頭がスッキリする、だから声をかけたときだけ1分寝てもよい、と暗示をかけたのが本当に聞いたのかもしれません。

まあ、それでそのあと集中力が増すのなら成功です。

結局、そのまま受験になってしまいました。

大物だったのでしょう。

早稲田実業で野球をする権利をあっさり手に入れてくれました。

先日、塾に顔を見せに来てくれたときのこと。

「相変わらず授業中、寝てるのか?」

すると昔と変わらず友だちが「こいつ、やばいよ」

本人「上に上がれないとおどされてるよ」

友だち「おどしじゃないだろ」

「野球はどうだ?」

「やめた」

「…………」

まあ、それもいいか。

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コメント

「やめた」「・・・」まあ、それもいいか。が、とてもいいです。とてもいいですね。初志貫徹でなくても、何はなくとも、まあいいさ。元気なら。という先生の教え子に対する想いが感じられるように思えます。 もっとも人生にさして固執する物事もないような気もするし、固執しているふりを楽しんでいる
くらいのいい加減さもまあ、まあ、まあね・・・。という中途な部分のナチュラリズムが心地よいのだからと・・・。 そんな先生の人生観かもしれませんが・・・。なんて知りもしないのに失礼しました。

ShinKobaさん。
こちらにも書き込み、ありがとうございます。

卒業した子どもたちが顔を見せにきてくれるのはうれしいものですね。

時がもどる感じです。

しかし、子どもたちはどういう方向にせよ、確実に成長している。
それもまた喜びのひとつですね。

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