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2006年5月25日 (木曜日)

寝てしまう子どもたち。その2

~掲示板から~ いち家庭教師さんに。

私が気持ちだけでなく、まだ若かった頃の話。

B君はよくできるのですが、クラスの中ではちょっと浮いた存在でした。

中学1年から3年間担当することは、私にとっては珍しいことです。これまで数回しか記憶にありません。

しかし、B君のクラスは一度も抜けることなく、3年間数学を持ちました。

当時のB君は簡単に言うと目立ちたがり屋さん、また、なんでも口をはさまずにはいられない性質でした。

何でもかんでも理屈を言う子で、まわりの友だちからは敬遠されるところもありました。今の流行で言うと「うざい」感じなのでしょうか。あだ名は確か「おじさん」です。

塾でこんな感じでしたから、学校ではもっと浮いていたのでしょう。学校ではあまりしゃべらないといううわさを聞いたことがありました。

彼なりに、塾では自分の理屈を聞いてくれる場があったということでしょか。

そんな子なので、国語は抜群にできました。

その分、かどうか、英語はそこそこできるのですが、数学だけは自信を持てないでいました。

そのクラスの中で、できなくはないのですが、できるというほどではない。

国語では人に負けず、英語でも上位にいる。しかし、数学だけはどうしてもトップ数人に勝てない。

プライドが高いB君は内心かなりあせっていたのでしょう。

中3の夏期講習が終わってしばらくした頃でしょうか。

B君は変わりました。言動は以前のままでしたが、授業中の態度が変わりました。

寝るようになったのです。

いえ、わざと寝ているふりをするといった方がよいかもしれません。

彼の理屈はこうです。

自分は毎日夜遅く、と言うより朝早くまで「高校への数学」を解きまくっている。

毎回の数学の授業範囲はすでに予習済みである。

授業は寝ていても支障はない。

寝ることにより、理解できていないところがあったら指摘してほしい。自分はすべて理解している自信はある。

当然、しかも若かった私はカチンときました。

ふつうは一喝して、態度を改めさせるところだったと思います。また、彼でなければそうしていたと思います。

しかし、そのとき私はなぜか、そこまで主張する彼を見て、よーし、その勝負受けてやる、と思ってしまいました。

こちらも「高校への数学」の内容はチェック済みです。また、月刊誌ですから、彼が学習しているのはその年のものだけです。

一方、私は古いものから持っています。

その年の「高校への数学」に載っていない話題をわざと選んで扱いました。

彼の反応を見たかったのです。

しかし、見上げたものです。

知らない話題になると、私に気づかれないように薄目で見たり、顔を伏せたままノートにメモを取っていたりしていました。

考えてみると、自分は何がわかっていて何を知らないのか、しっかり把握しているということですね。

「高校への数学」を解きまくっているというのも満更でもないようです。

授業中に寝る、というのは彼なりの「背水の陣」だったのでしょうか。

このままではいけない、と考えた末の極端な行動だったのかもしれません。

また、数学ができる余裕のある子には「高校への数学」をやらせていましたから、それを勧められなかった自分はそれ以上にやろうと心に決めたのでしょうか。

そこからのB君の数学の伸びは目を見張るものがありました。

クラスで一番の子にもたまに勝つようになってしまいました。

受験でも余裕で全勝してしまいました。

もちろん数学は得意なままで。

そんなB君も、とっくに軽く30をこえた本当のおじさんになっているはずです。

どうしているのかなあ。

B君だけでなく、私にとっては忘れられないクラスです。

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