勉強時間のこと その2
中学受験生の最適な家庭学習時間については、その環境と時期によって違います。
まず通われている塾のポリシーというか性格によって変わります。
短時間型か、長時間拘束型か。
塾・授業内でどこまでの理解、定着を考えているか。
塾といっても様々で、これに個別指導、家庭学習のみを合わせると、とても一概には語れません。
ここではとりあえず塾に通っているという前提で考えて見ます。
短時間型は、講義型の塾が多く、授業ではポイント、エッセンス、学習方法を教え、定着は家庭(本人?)まかせになることが多いと思います。
大手大学予備校の講義形式に近いかもしれません。
この場合は、何とか授業で理解まではできているとして、算数ならば塾の授業と同じ時間くらい使って、家庭学習で定着が必要になります。
もちろんこれは目安の時間であって、その子の理解度、定着度によって変わります。
その時間配分・予定は家庭で管理しなければなりません。
また、どれほど理解・定着ができているかは基本的には親と子どもの仕事になります。
短時間の授業時間では、なかなか演習の時間まで取ることは難しいので、その確認はどうしても家庭でやることになります。
そうでなければ、定例の塾のテストまで待つことになります。そこで納得できる成績ならばよいですが、そうでなければあわてますね。
一方、長時間型の場合、授業、演習、確認の時間まで授業に含まれていることが多いですから、その分、家庭学習の量は減ります。
実際、日数、授業の終了時間にもよりますが、物理的に家庭学習の量はそれほど残っているとは思えません。
どちらがよいかは、ご家庭の方針と子どもの向き不向きによりますね。
自分である程度、管理できる子どもや親が関われる家庭ならば、短時間型の方が時間を自由に使えますし、子どもの負担も少なくてすみます。
自ら机に向かえない、親がつきっきりで見ないと勉強ができないようなら、長時間型の方が安心でしょう。
環境によって子どもはどんどん変わりますから、そこはご家庭の方針と合わせてしっかり選んだ方がよいでしょう。
どちらにしても、現在、小6でないのなら、塾と家庭学習の時間の合計は短い方が有望です。
もちろん、学習成果がある程度あがっている場合に限ってのことですが。
学習に時間を使っていないせいで、成績が不振なら一言「もっと勉強しなさい」になります。
塾とその学習については、できているのなら短い方がよいに決まっています。
また、時間と成績は必ずしも比例しません。低学年であればあるほど、軽くこなしている方が先に行って負担が少なくすみます。
学年があがればあがるほど要求は高く多くなっていくのが普通ですから、低学年から時間でカバーしていると、どこかで無理が出てくることもあります。
小6はその限りではありません。
志望校と現在の学力にもよりますが、これからの時期、やるべきことばかり積み上げられ、やってもやっても時間がない、となる方が多いでしょう。
やっては忘れ、忘れてはやる、の繰り返しがこれからの学習となります。
特にあと半月もすれば受験の天王山ですね。
しかし、それでも1日8時間の学習は無理がありそうです。
これに小学校の時間は入っていませんね。
何もない土日ならばともかく、普通の日で8時間やるとしたら、無駄な時間を排除しても最低必要な睡眠時間まで削らなければ達成できそうにありません。
短時間型の塾なら、塾の2時間の前後に6時間の学習。
長時間型の塾でも、塾の5時間のあと、家庭で3時間。
私なら間違いなく逃げます。ICUに入れられない限り(ちょっとブラック?)。
しかもたまの1日ではなく、毎日となるとそれはやめた方がよい。
大人でいうと、朝から夕方まで仕事をして、それからまた真剣なアルバイトに行くようなものですね。よほどアルバイトが楽しくない限り無理なことです(好きなことでも、私ならきっと逃げたくなりますが)。
勉強が好きな子で、集中して勉強できる子はそれもよいかもしれません。実際、これまでそういう子はいなくもないです。
しかし、それはやはり極端な場合かと思います。
もちろんこれが夏期講習など、学校が休みのときは別です。長時間型の塾なら、もしかしたら、塾だけで8時間かもしれません。
6年生なら、塾で6時間くらいは珍しくないかもしれません。この場合なら、家庭学習2時間は普通です。
しかしふだんは、学習時間より、学習の効率、集中を考えてやりたいですね。
その日にかならずやっておくべきことをしっかりやること、それにつきると思います。
やはり問題は、学習時間より学習の内容次第ですね。
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コメント
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なるほど。
「うちの子、勉強しないんです」って、謙遜か親が求める勉強量が多かったりするときにつかう言葉ですよねえ。しかし、うちの場合…。
昨日、右のおすすめにある「中学受験はキビシイ」を読んだのですが、次男君とうちの子の性格がそっくりでした。塾の先生の言葉はそのままうちの子でした。
飲み込みが早く、勉強しなくてもそこそこはできてしまう子の場合、学習習慣がとても身につきにくいです。親の力量が足りないのもあるでしょう。でも、求められる力量が並じゃない気がします。
正直、もうどうでもいいと思うことが日に2度はあります。「今の勉強量で志望校に合格しようとするのは、お母さんが今のまま食べていて腹筋を割ってみせる!て言っているようなもんだよ。うそつきって思うでしょう?」と説得したりもしているのですが。
河原に連れてきたのに水を飲まない馬に、「後で飲もうと思っても水場がないよ。戻ってくる体力もなくなるし」「おいしいよ。飲んでみなよ」とかやっているつもりなのですが、首ねっこを押さえて鼻をつまんで無理矢理飲ませないとだめなのでしょうか。たしかに後でその方が感謝される気もします。
でも、そこまでして志望校に入れても、勉強する習慣がついていないと繰り返しだし→でも、中高生になれば、いくらなんでも自分でやるのでは→でも…
ループです。かなり、疲れました。この葛藤から親は身を引きたいです。でも、そうしたら、確実に2月は涙でしょう。
こういうタイプの子には親はどうしたらいいのでしょうか?(後出しばかりのようですみません。6年生です。)
投稿: | 2006年7月 6日 (木曜日) 09時19分
お返事遅れてすみません。
お困りのご様子、伝わります。
小6で週に3時間は確かに少ないかもしれません。
受験まであと半年、大事な夏期講習前ですから、大事に過ごさなければいけませんね。
気がつくまでほおっておきなさいと言いたいところですが、それには時間がありません。
塾の課題、宿題はできているのでしょうか?
やるべきことはできているのでしょうか?
過大または虚偽の自己申告でなく、それらができていて、塾の先生など納得しているのなら、時間はそれほど問題ではないのかもしれません。
家庭学習をする時間は1週間にあとどれほどありそうなのでしょうか?
志望校と、現状の学力の差はどれくらいなのでしょうか?
塾の先生は、志望校と現在の学習方法についてなんとおっしゃっているのでしょうか?
いろいろと整理しないと答えにくい内容です。
ブログの方で答えにくいようでしたら、お手数ですがメールをいただければ、個人的にお答えいたしますが。
投稿: 賛数仙人 | 2006年7月 8日 (土曜日) 01時47分
ご丁寧な回答をいただき、ありがとうございます。恐縮です。(ちょっと、しつこかったのに)
実は塾の先生に相談していません。塾の先生に子どもの様子を聞いてみます。(家庭で努力の範囲かなあ、親ができることはやってからでないと相談できないかなあと思っていました。)
また、メールでご相談することもあるかと思います。その節にはよろしくお願いします。
投稿: | 2006年7月 8日 (土曜日) 08時16分
お返事したつもりで、それっきりにしてしまいました。すみません。
その後はいかがですか。
いよいよ大事な時期になりますね。
暑くなりましたが、ともにがんばっていきましょう(いえ、親はじゅうぶんがんばっているのですね、何とかお子さんに通じることを祈ります)。
メールなど、お気軽にどうぞ。
投稿: 賛数仙人 | 2006年7月14日 (金曜日) 01時33分