算数力の基礎チェック その5
何でもゲームを楽しむためには「ルールを理解」することが重要です。
算数や数学も同じで、多少の地域限定のルールがあったとしても、大前提のルールは万国共通です。
算数、数学を楽しむために、日々ルールをマスターし、練習するわけです。
四則混合の計算については、
1.( )がある場合は( )の中から計算する。
(複数の( )がある場合は一番内側から計算する)
2.かけ算、わり算は先に計算する。
3.それ以外については、左から右に計算していくことが原則。
の3つのルールだけです。
これは整数に限らず、小数や分数が混じっても変わりません。
上記の1から3は習う順番としては逆ですが、実際に計算を考える場合はこの順番に進めます。
( )、×、÷はひとかたまりです。切り離して考えることはできません。1つのいわゆる「項」と考えてよいでしょう。
四則混合の式は、これらの「項」を「+」や「-」でつなげたものと見ることができます。
※ 正しくは符号としての+、-がそれぞれの項にあり、それを項は「+」でつなげていきます。また、( )を項と呼ぶのは乱暴かもしれません。
例えば、意味を考えていねいに書くと、16-5×2+3は(+16)+(-5)×(+2)+(+3)です。
4年生以上なら、この計算順序のルールを間違わずにできていなければなりません。
1+2×3
18-8÷2
20-10÷(7-2)
9×8-(9-2×3)×15
だいじょうぶですか?
早く正しくできるようなら、一歩踏み込んで、式の意味から次のようなことを考えることができます。
式はすべて、「+□」・「-□」・「×□」・「÷□」で区切って考えれば、順番をかえて計算できます。
たし算、かけ算だけの場合は、順番をかえて計算してよいことはわかるし、習いますね。
18+23+27+32
=(18+32)+(23+27)
=50+50
=100
7×4×125×8×25
=(4×25)×(125×8)×7
=100×1000×7
=700000
しかし、ひき算が混じっても、順番をかえることができます。
6-2+3
=6+3-2
=9-2
=7
この場合、頭の「6」は「+6」の省略とみます。「+3」はたし算なので、たし算の順番をかえたと考えてもよいですが、「-2」の順番をかえたと見ても不都合ありません。
26-9-6
=26-6-9
=20-9
=11
次の場合は、「-3」だけ順番をかえてはいけません。
30+6-3×8
=30-3×8+6
=30-24+6
=6+6
=12
「-3×8」はひとかたまりなので、くっつけたまま移動させなければいけません。
同じように、わり算は気をつけなければいけません。
順番をかえてよいのは、その「項」の中だけです。「÷□」のまま、動かします。
かけ算、わり算だけの式なら、気にしなくてもかまいませんが。
16÷7÷4×21
=(16÷4)×(21÷7)
=4×4
=16
この場合、頭の「16」は「×16」の省略とみます。
もっとも(もちろん)この計算ではふつう、分数の形にして約分していきます。
30-72÷32×4÷3
=30-72÷3×4÷32
=30-24×4÷32
=30-96÷32
=30-3
=27
「÷□」の順番をかえてよいのは「72÷32×4÷3」の中だけですね。
そうでなければ、大原則を破ることになります。
この計算もふつうは「72÷32×4÷3」の部分をまず分数の形にして約分します。
算数では、ルールを破らない限り、自由なくふうができます。
ルールに精通すれば、正解への道はひとつだけではありません。
美しい解法、クールな解法を見つけるためにも、ルール(基本)を大事にしなければなりません。
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