筑駒くんのこと
4月になりました。まだ、春とは言いがたい気候ですが。
入試応援は一人で行くことが多いです。
ある年の開成の日もそうでした。続々と開成に向かう子供たちと保護者の中、道の途中で彼を見つけました。
少し立ち話をして、さあ一緒に行こうかと声をかけると、カバンとマジックを差し出し、「先生、これに一言かいて」
お守りみたいなものは数日前の激励会で渡しています。しかし、カバンにデカデカと言葉が欲しいというのです。応援に来ることを知っていた彼はマジックまで用意していました。
『君が受からなくて誰が受かる』
そう書きました。「よしっ!」小さな声で、しかし力強く彼は言ったように記憶しています。
受験を終え、塾にもどってきてくれた彼は、しかし、ぐったりと元気なく、やや青ざめていました。算数の心配は全くしていませんでした。
5年の春に見たときは、他の生徒と全く変わらない彼でした。四谷の週例テストもAからスタートしました。もっともBにはすぐ上がりましたが。
5年の間、算数は少しずつその芽を見せ始めましたが、まだまだ超難関というレベルではありませんでした。ただ、その雰囲気を感じたのは、問題に取り組む姿勢です。
私の与えた問題をとにかく自分が納得するまで、ひたすら授業中も休み時間中も没頭してやっていました。休み時間中、他の男子が遊んでいても、気になる問題があるとそれには入らず、ひたすら考えていました。解けるとぱっと満面の笑みになり、うんうんと大きくうなずく、今でもその顔と仕草をはっきり覚えています。
やや長くなりそうです。この続きはまた後日。
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