サピックスの強さ その8
もっともらしいが故に、誤解がそのまま通用することが間々あります。
たとえば「予習シリーズ」
これは自学自習で予習してから塾に行きなさい、予習した上で習いなさい、と言うことではありません。
サピックスは復習中心をうたっています。しかし、その反対に四谷大塚系は予習中心というわけではありません。「予習シリーズ」というネーミングは誤解しやすいですが、これだけ昔から全国的に有名であると変えるわけにもいかないのでしょうね。
なぜ「予習シリーズ」なのか。
その昔、四谷大塚は中学受験専門のテスト屋さんでした。もうすでに保護者の世代でしょうが、いわゆる日曜テストがあり、そのテスト会員になるために入室テストもありました。今ももちろんありますが、現在のようなコース決定テストと違い、日曜テスト会員であるというだけでステータスでした。今でいうとSコースだけという感じでしょうか。そういえばCコースにあたる「準会員」というのもありました。
もうお分かりですね。
「予習シリーズ」とは日曜テストのための予習教材であったわけです。次回のテストのためにここのあたりを予習しておいてくださいというわけです。事実、本家の四谷大塚では(中には予習してくる生徒もいるかもしれませんが)「予習シリーズ」で授業をし、その復習テスト、確認テストとして週テストがあります。四谷大塚の先生は生徒の予習を前提として教えているわけでは決してありません。
サピックスの授業では原則的に当日に毎週ごとの教材が配られ、生徒はその場で初めて内容を見ることになっています。建て前的には初めて見る問題に新鮮な興味を持たせ、一緒に考えていくといった感じでしょうか。
授業ではできる限り生徒自身に考えさせ、そのサポートを講師がすると言うのが前提になっているようです。もっともこれはサピックスだけの特徴ではありません。そのスタイルをとっている塾、講師はたくさんいることでしょう。
講師はなるべく教えず、生徒自らが考え、解法にたどり着く授業、それがサピックス授業の理想なのでしょう。
手取り足取りの教え過ぎはよくありません。しかし、これは教えないということではありません。
「教えない授業」という禅問答のような授業も流行っているようですが、これには全く賛成できません。なんだそれ、です(笑)。
この続きはまた次回に。
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