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2016年6月19日 (日曜日)

数脳・図脳・算数脳 その10

子どもにあたえる問題は、易しいものばかりでも難しいものばかりでもいけません。

理想は自力で解ける問題が7割、何とかなりそうな問題が2割、何ともなりそうもない問題をせいぜい1割です。 子どもの性格や粘り具合によっては自力で解けるものの比率を変えてもよいでしょう。 もちろん解けないものを何時間も粘る必要はありません。 自分から望んでやっていることであればそれも悪いことではないですが、強制であれば意味がありません。自分からがんばっているようなら時間が許す限りやらせておいてもよいでしょう。
家庭学習なら私はどんな問題でも1問につき5分以上粘らなくてもよいと言っています。いやもちろん好きなだけやってもいいけどもとつけ加えますが。

自力で解ける問題はリズムを作り、何とかなりそうなものは脳の活性を促します。 何ともなりそうにない問題は、何とかしようとする粘りの育成と解けたときの喜びがねらいです。
がんばっているときは少し苦痛、終わったときには爽快感、そうであれば大成功です。
成功が繰り返されればレベルアップが早くなります。

子どもにあたえる問題は質のよい問題がよいに決まっています。 やさしくても難しくてもそこに学力アップのカギがふくまれているのなら、何としてでも見せてあげる、理解させてあげるべきです。

たまにこの問題は志望校に出ないから、難しすぎるからといって避ける場面もあるかと思いますが、それは時期と子どもの理解力によります。 志望校には出なさそうな問題、すぐには力とならない問題もありますが、学力アップ、総合力向上に無駄な問題はありません。

心に残る映画や本などは多少難しくても、または子どもの興味から少しはずれていても見せてあげたい。

そう思いませんか?

もちろん受けて側がまったく理解の範囲を超えているものはあたえても無意味です。

気をつけたいのは前段階なしで問題を与えられた場合です。

最近の出来事です。

他塾生の個別指導をしていると、低学年にも関わらず入試問題を与えられ、四苦八苦し私のところに持ち込んできました。そしてこれが初めてではありません。
その問題を解く前に、理解しておくべき知識とか基礎の問題がたくさんあるのになあ、困ったものだと考えながら教えていました。
案の定、途中で説明が理解できません。
ああここがわかっていないのね、(その場でそれ以前の基本問題を作り)では先にこれ解いてみて。
やはりそれも解けません。決してできない子ではありません。むしろその逆です。
この基本問題はやっていないの? あいまいですがやってないとのこと、さらに他の必要な基本の問題をその場で与え、練習してもらいました。
ああそういうことか、やっともとの問題の説明を理解してくれました。
無理に解かなくともいい問題だそうですが、そう言われると解きたくなるのが子ども(人間?)です。
知識をそれほど必要としない難しい問題ならいいですが、算数では順を追って理解していった方がよい問題が多くあります。

「教えない指導」とか「子どもの自発性」とか「初見に強くなる」とか、もっともらしいものがはやっていますが、手取り足取りと言うことではなく、ていねいに教える、きちんと教えるといった基本の所作が忘れられている気がしてなりません。それは先生は楽になりますが、負担は子どもにいきます。子どもにとって適切なよい負荷となるのならよいのですが。

「学ぶはまねぶ」と言います。
真似するものがなければただのデタラメになってしまいます。

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