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2016年6月 9日 (木曜日)

数脳・図脳・算数脳 その3

中学受験の算数にそろばんは必須ではありません。
そろばんができれば暗算能力で非常に大きな力になります。
それが自信にもつながり、受験算数においても有効であることも間違いないでしょう。
実際、そろばんが得意で(レベルの差はありますが)算数が得意でない子はあまり見たことがありません。
しかし、逆は必ずしも真ならず、です。
超トップの子も含めて、算数のできる子がすべてそろばんができるかというと、答えは「否」です。
これまでの講師仲間の中にも何人かそろばんの達人がいて、暗算ができてうらやましく、ああ、小さい頃にまじめにやっておけば良かったと思うことはよくあります。
しかし、算数を解くスピードであまり違った記憶がありませんし(単純な計算は当然別です)、私の他にもそろばんはできないけれど(教え方の話ではなく)純粋に算数や数学が抜群に強い講師、解くのが速い講師はたくさんいます(講師はふつうに算数や数学に強くなければ話になりませんが、それ以上に、ということです)。
人間には絶対音感や語学能力などある年令の時にしか身につかない能力があると聞きます。

そろばんがそうであるかどうかは詳しくありませんが、そういう能力を獲得するときの絶対条件として、本人が楽しんでいること、興味を持っていることが必要です。

将棋や囲碁の天才の頭の中にはビジュアルな無数の盤があり、さらに無数の手を視覚的に読める能力があるようです。

同じようにそろばんの達人の頭の中には目からインプットされた数字の組が瞬時にそろばんの玉に変換されるのでしょう。それは確かにうらやましい能力です。
しかしその能力は自分が興味のない段階で、人から押し付けられて備わるものなのかどうかはわかりません。昔のいわゆるスポコン漫画のように、幼少時に野球などを無理やりやらされて、憎みながらもその世界の魅力にはまっていくこともあるのかも知れませんが。
そろばんに限らず、いかに算数が楽しいものであるか、それを感じられるものがたくさん出てくることが、算数脳を作る一番の薬です。そういうものをたくさん提示してあげて、自分から手に取ったものを応援してあげることがいちばん良い方法です。
また、そろばんができれば良いことばかりのようですが、よほどしっかり習得していない限り、実際は諸刃の剣となります。
これまでに見てきた経験から、実例をあげてみます。
途中の計算を暗算でしているため、どこで間違ったのか、本人もこちらもわからない。またはそれを見つけるのに苦労する。
ある一定のルールで出てくる計算を常に同じように間違える。
これはどこかで同じように玉のはじき方を間違えているものと推測されます。
中学受験算数のためにそろばんをひとつの武器にしたいのならば上記のようにならないように習得してほしいものです。
また、本人は鉛筆のスピードと暗算のスピードが合わずまどろっこしいかもしれませんが、少なくとも大事な式だけでも、できる限り途中の計算を紙の上に残しながら答案を作成する習慣をつけるべきです。

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