自宅で我が子に算数を教える方のために その10
連立方程式の解法で、代表的な解き方は2つあります。
1.加減法
2つの方程式の1つの未知数に注目して、両辺に同じ数をかけ、それぞれの式の未知数の係数を等しくします。方程式をたしたり、ひいたりして未 知数を1つ減らします。
2.代入法
1つの方程式の1つの未知数を他の未知数で表し、それを他の式に代入しして未知数を1つ減らします。
どちらも目標はひとつです。
立式しやすくするために複数設定した未知数を、解くための条件がそろった段階で、今度は減らしにかかります。
方程式の数と未知数の数が等しくなった時点で解が求められるので、今度はどんどん文字を減らして文字が1つだけの方程式にするわけです。
問題を解くために、文字はどんどん使い、文字をどんどん減らす。
方程式のコツのひとつです。
さて、消去算の解き方も連立方程式の解き方と同じです。
加減法と代入法をひっくるめて消去法とも言います。
この消去法を使った算数の解き方が「消去算」です。
表し方は多少異なることもありますが、やっている内容はほとんど同じです。
具体的に見ていきましょう。
「えんぴつ10本とノート5さつの代金は750円です。えんぴつ12本とノート8さつにすると代金は1080円です。えんぴつ1本とノート1さつの値段はそれぞれいくらですか。」
えんぴつ1本の値段をえ、ノート1さつの値段をノとします。
え×10+ノ×5=750 (①)
え×12+ノ×8=1080 (②)
え×80+ノ×40=6000 (③ ①×8)
え×60+ノ×40=5400 (④ ①×8)
え×20=600(③-④)
よって
え=(600÷20=)30(円)、ノート90(円)
えをx、ノをyとするとそのまま連立方程式になります。
ちなみに、①は先に5でわり、
え×2+ノ×1=150
②は先に4でわり、
え×3+ノ×2=270
とした方がよいのは連立方程式も消去算も同じです。
また、学年や講師の指導法によっては、えを①、ノを△1などとおくこともあります。
では「消去算」と「連立方程式」はまったく差がないのでしょうか。
解法においては同じです。
しかし、発想というか、消去にいたる考えは少し意味合いが違ってくるかもしれません。
「○△△で24、○○△△△で39のとき、○はいくつですか。」
連立方程式で○1つはx、△1つはyとすると
x+2y=24 (①)
2x+3y=39 (②)
これは見た瞬間①の両辺を2倍して、xの係数をそろえます。
2x+4y=48(③)なので、(③-②から)y=9、xは(①にy=9を代入して)6です。
消去算でもほとんど同じですが、教え方は次のようになります。
○△△で24なので、
○△△|○△△で(24×2=)48
○○△△△△→48
○○△△△ →39
これで○の個数が2個ずつでそろったので、△の差で見て△1個は(48-39=)9
○+18→24なので、○は6です。
前にも少し書きましたが、
「等しいところに注目する」
「等しくして考える」
「一方にそろえて考える」
などは算数の大事な発想方法です。
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