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2016年9月18日 (日曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その8

前回からの続きです。
 
「毎時45kmの速さで1時間36分かかる道のりを、毎時60kmの速さの自動車で行くと何時間何分で行きますか。」
 
ふつうに道のりを求めて、その道のりを毎時60kmで進んだときの時間を求めてもよいですが。
 
比を使うと
 
毎時45kmで行っても毎時60kmで行っても同じ道のりの話なので、道のり一定から速さと時間は逆比の関係です。
45:60=3:4なので、かかる時間の比は4:3です。
毎時45kmのとき、(1時間36分=)96分かかっています。
④は96分なので、③は(96÷4×3=)72分です。よって、1時間12分です。
 
「ふつうは24分かかる道のりを、今日はいつもより時速8km速くしたので8分速く着きました。いつもの時速は何kmですか。」
 
これも同じですね。
 
方程式では、求める時速をxkmとして、24/60x=(24-8)/60(x+8)です。
 
比では
 
ふつうと今日でかかった時間の比は(24:24-8=)3:2です。
道のりは等しいので、ふつうと今日の速さの比は2:3になります。
これを②、③とすると、差の①は時速8kmなので、いつもは②=時速16kmです。
 
「A町からB町まで往復するのに、行きは毎時3km、帰りは毎時5kmの速さで進むと往復3時間12分かかります。A町とB町の間の道のりは何kmですか。」
 
これまた同じです。もう使えるのではありませんか。
 
よろしければ、Thinking Time
解けましたか。
 
方程式ではふつうA町とB町の間の道のりをxkmとして立式します。
 
比では
 
道のりが等しいので、行きと帰りの時間の比は5:3です。これを⑤、③とします。
⑤+③は3時間12分なので、⑧は192分、⑤は120分=2時間です。毎時3kmで2時間の道のりなので、(3×2=)6kmです。
 
「Aが6分で行く距離をBは10分で行きます。Bが出発して12分後にAが追いかけると、Aは何分でBに追いつきますか。」
 
AとBの速さがわかっていれば旅人算の典型的な問題です。
この問題では速さがわかっていないので、まず速さの比を考えます。
Aが6分で行く距離をBは10分で行くので、速さの比は5:3です。
A、Bの速さを⑤、③とします。
 
旅人算的な解き方は、
 
Bは先に12分進んでいるので、Aが出発するとき、(③×12=)○36離れています。
○36を速さの差(⑤ー③=)②で追いかけるので、AはBに(○36÷②=)18分後に追いつきます。
 
まるっきり比で解くと、
 
AがBに追いついたとき、AとBは等しい道のりを進んだはずです。
このとき、かかった時間の比は速さの逆比の3:5です。
追いつくまでAは③の時間、Bは⑤の時間進んでいたので、(⑤ー③=)②が時間の差の12分です。
よって、①は6分なので、Aは(③=)18分で追いつきました。
 
算数の解き方は様々です。どれが正しいとか間違っているとか(根本的に間違っていれば別ですが)ありません。あるとしたら、どの方法が鮮やかなのか、またはどの方法が子どもにとってわかりやすいのかに尽きます。
一種宗教的なこともあり、線分図派はその他の解き方を邪教とし、面積図派はてんびんを安直な方法として忌み嫌ったりすることもあります。
自分の解き方、教え方にこだわりがあるのは悪くはないでしょうが、他を認めないのはどうでしょう。算数だからこそ柔軟に見る目、考える頭を持ちたいものです。あ、自戒を込めて。
 
やや難しめの問題でしめくくりましょう。麻布中の問題です。
 
「列車A、Bはそれぞれ一定の速さで、並行する線路の上を逆向きに走っています。ある地点を列車の先頭が通過してから最後尾が通過するまでの時間はAが15秒,Bが20秒です。また、AとBがすれ違うのに要する時間は18秒です。列車AとBの速さの比と長さの比をそれぞれ求めなさい。」
 
列車AはAの長さを15秒で進みます。
列車BはBの長さを20秒で進みます。
また、すれ違うときの距離はAとBの長さの合計で、これは18秒です。
 
すれ違うとき、列車AはAの長さを15秒進み、あと3秒残しています。
このとき、列車BはBの長さを18秒分進みますが、あと2秒足りません。
つまり列車Bの2秒の距離を列車Aが3秒進んで補っていることになります。
 
このことから、列車Aが3秒で進む距離は列車Bが2秒で進む距離と等しいことがわかります。
よって、列車Aと列車Bの速さの比は時間の逆比の2:3です。
 
長さの比は、Aは②の速さで15秒進んで○30、Bは③の速さで20秒進んで○60となり、
30:60=1:2です。

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