リンク

« 2016年8月 | トップページ | 2016年10月 »

2016年9月

2016年9月28日 (水曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その11

算数といえば「つるかめ算」というくらい有名です。
内容はともかく名前は何度も聞いたことがありますね。
 
もともと、和算のそのまた昔は鶴と亀ではなく、キジとウサギだったようですが。
 
今回はつるかめ算についてお話しします。
 
これまで見てきた問題とは違い、算数独特の解法の代表と言ってよいでしょう。それと愛嬌のある名前でここまで有名になったのかも知れません。
 
まずはつるかめ算の基本問題とその解法を見ていきます。
 
「つるとかめがあわせて10匹いて、この足の本数をすべて数えたら全部で28本でした。つるは何匹いますか。」
 
つるかめ算となる問題の構造(というほどのものではありませんが)は、単位あたりが違う2つのものの個数の和と全体の数の和がわかっているとき、それぞれの個数を求めるものです。
 
この問題の場合は1匹あたりの足の本数が2本と4本で、その匹数の和が10匹、足の本数全体の和が28本とわかっています。
このとき、つる、またはかめの匹数を求めるわけです。
 
よって、この問題はたとえば「2円切手と4円切手があわせて10枚あり、金額全体の和は28円、2円切手は何枚あるか」と同じです。
 
単位あたりの量がわかっていて「あわせて~、あわせて~」の関係になっていればつるかめ算なのです。「和・和」はつるかめ算ともいえます。
 
方程式の形で見てみると、つるはx匹、かめはy匹いるとして、
 
 x+y=10
 2x+4y=28
 
となり、和の関係が2つあることがわかります。
 
さて、つるかめ算の解法の基本は、算数(数学でも?)で大事な考え方である
 
「極端な場合で考える」
 
「~であると仮定して考える」
 
です。
 
つるとかめの2種類がいるからわからないわけで、もしこれが「つるが何匹かいて足の本数は12本です」なら、「つるは(12÷2=)6匹」と即答できます。
 
「もしもすべて~だったら」
 
これがつるかめ算のキーワードです。
 
「もしもすべてつるだったら」全部で足は(2×10=)20本です。
 
「でも本当は」(これが第二のキーワードです)28本です。
 
すべて2本足のつるのはずでしたが、足を2本ひっこめていたかめがいたことがわかります。
ひっこめた足は(28-20=)8本なので、ひっこめていた足を2本ずつだしてもらいます。
すると(8÷2=)4匹のかめがいたことがわかりました。
よって、本当のつるは(10-4=)6匹です。
 
もしもすべてかめだったら、でも同じです。
 
2本足のつるが、にせの足を2本ずつつけてかめに化けているわけです。
もしもすべてかめだったら、足は全部で(4×10=)40本あります。
でも本当は28本なので(40-28=)12本多いことがわかります。
そこで化けているつるのにせの足を2本ずつ取っていくと、つるは(12÷2=)6匹いたことがわかります。
 
以上の式をまとめてかくと
 
すべてつるのとき、
 
(28-2×10)÷(4-2)=4(かめの数)
 
すべてかめのとき、
 
(4×10-28)÷(4-2)=6(つるの数)
 
となります。
 
つるかめ算の解法では昔から「面積図」の解法が有名です。もっとも理解していれば無理に使う必要はないのですが。
 
高さの違う長方形を2つ並べて上記の解き方を視覚化します。
「1匹あたりの足の本数×匹数=足の本数」を「たて×横=面積」に置き換えて考えます。
「もしも~だったら」の部分はどちらかの長方形のたての長さに両方そろえて考えます。
「でも本当は」との差の部分が面積の差に出てきます。
「和・和」の関係を、横の長さの和、長方形の面積の和で表しています。「和」の関係なので、横に並べてくっつけます。
 
面積図をブログ上でかくのはたいへんなので、少し違いますが簡易的な図を考えてみます。
 
「つる(足2本)とかめ(足4本)あわせて10匹、足の総数は28本」でした。
 
2・2・…・2|4・4・…・4(合わせて10個の2と4、総数28)
 
もしもすべて2(つる)だとすると
 
2・2・…・2|2・2・…・2(合わせて10個の2、総数2×10=20)
2・2・…・2|4・4・…・4(合わせて10個の2と4、総数28)
 
総数の違いの(28-20=)8は「本当は」2が4だったためで、1匹あたり2ずつ多いためです。
よって、もともと4だった(かめだった)のは(8÷2=)4匹です。
 
もう1問見ましょう。
 
「50円切手と80円切手をあわせて12枚買うと代金の合計は750円でした。50円切手の枚数を求めなさい。」
 
50円切手の枚数を出すので、すべて80円とします。
かかる代金は(80×12=)960円
全体の差は(960-750=)210円
1枚が80円でなく50円になると(80-50=)30円安くなるので、
50円は(210÷30=)7枚です。
 
これを式でかくと
 
(80×12-750)÷(80-50)=7
 
です。
 
簡易的な図であると
 
50・50・…・50|80・80・…・80(あわせて12枚、合計750円)
80・80・…・80|80・80・…・80(あわせて12枚、合計960円)
---------------
30・30・…・30  → これが210円の差
 
つるかめ算は、単位あたりの量の関係があり、上記のように「和・和」の関係になっているものについて解く特殊な解法です。
 

2016年9月24日 (土曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その10

連立方程式の解法で、代表的な解き方は2つあります。
 
1.加減法
 
2つの方程式の1つの未知数に注目して、両辺に同じ数をかけ、それぞれの式の未知数の係数を等しくします。方程式をたしたり、ひいたりして未 知数を1つ減らします。
 
2.代入法
 
1つの方程式の1つの未知数を他の未知数で表し、それを他の式に代入しして未知数を1つ減らします。
 
どちらも目標はひとつです。
 
立式しやすくするために複数設定した未知数を、解くための条件がそろった段階で、今度は減らしにかかります。
 
方程式の数と未知数の数が等しくなった時点で解が求められるので、今度はどんどん文字を減らして文字が1つだけの方程式にするわけです。
 
問題を解くために、文字はどんどん使い、文字をどんどん減らす。
 
方程式のコツのひとつです。
 
さて、消去算の解き方も連立方程式の解き方と同じです。 加減法と代入法をひっくるめて消去法とも言います。
この消去法を使った算数の解き方が「消去算」です。 表し方は多少異なることもありますが、やっている内容はほとんど同じです。
 
具体的に見ていきましょう。
 
「えんぴつ10本とノート5さつの代金は750円です。えんぴつ12本とノート8さつにすると代金は1080円です。えんぴつ1本とノート1さつの値段はそれぞれいくらですか。」
 
えんぴつ1本の値段をえ、ノート1さつの値段をノとします。
 
え×10+ノ×5=750  (①)
え×12+ノ×8=1080 (②)
 
え×80+ノ×40=6000  (③ ①×8)
え×60+ノ×40=5400  (④ ①×8)
 
え×20=600(③-④)
 
よって え=(600÷20=)30(円)、ノート90(円)
 
えをx、ノをyとするとそのまま連立方程式になります。
 
ちなみに、①は先に5でわり、
 
え×2+ノ×1=150
 
②は先に4でわり、
 
え×3+ノ×2=270
 
とした方がよいのは連立方程式も消去算も同じです。
 
また、学年や講師の指導法によっては、えを①、ノを△1などとおくこともあります。
 
では「消去算」と「連立方程式」はまったく差がないのでしょうか。
 
解法においては同じです。
 
しかし、発想というか、消去にいたる考えは少し意味合いが違ってくるかもしれません。
 
「○△△で24、○○△△△で39のとき、○はいくつですか。」
 
連立方程式で○1つはx、△1つはyとすると
 
x+2y=24  (①)
2x+3y=39 (②)
 
これは見た瞬間①の両辺を2倍して、xの係数をそろえます。
 
2x+4y=48(③)なので、(③-②から)y=9、xは(①にy=9を代入して)6です。
 
消去算でもほとんど同じですが、教え方は次のようになります。
 
○△△で24なので、
○△△|○△△で(24×2=)48
 
○○△△△△→48
○○△△△ →39
 
これで○の個数が2個ずつでそろったので、△の差で見て△1個は(48-39=)9
○+18→24なので、○は6です。
 
前にも少し書きましたが、
 
「等しいところに注目する」
 
「等しくして考える」
 
「一方にそろえて考える」
 
などは算数の大事な発想方法です。

2016年9月22日 (木曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その9

前回まで○を使った算数独特の問題を見てきました。
 
今回は方程式に近い問題を見ていくことにします。
式だけ見れば、xが○に変わっただけに見える問題です。
 
途中に□がある計算についてはすでに扱いました。□をxとすれば、形だけは方程式です。ただし、その解法は移項や式変形ではなく、逆算が基本でした。
 
この途中に□がある計算を、式を作るところから始める問題のことを「還元算」といいます。つまり、還元算は1元1次方程式です(文字の個数がx1つだけの方程式)。
 
たとえば次のような問題です。
 
「ある数に5をたした数を5倍して5をひいて5でわると5になりました。はじめのある数を求めなさい。」
 
文章の最後が「~になりました」と結果がわかっていて、はじめの数量を求める問題が還元算です。最後からはじめにもどっていくわけです。
 
方程式の応用問題の立式は、問題にかいてあることをそのまま式に翻訳していきます。
 
はじめの数をxとすると、
 
「ある数に5をたした数を5倍」したので、5(x+5)
これから「5をひいて5でわると5」になったので、
 
{5(x+5)-5}÷5=5
 
です。
 
算数では上の式のxを□や①で表します。
 
{5(□+5)-5}÷5=5
 
です。
 
もっとも、そもそもの還元算的な解き方は、最後からさかのぼって、
 
5でわったら5になったのだからその前は25
5をひいて25になったのだからその前は30
5をかけると30になったのだからその前は6
5をたすと6になったのだからその前は1(はじめの数)
 
でしょうか。
 
さらにほぼそのまま方程式の問題は「消去算」です。
これはまさしく連立方程式です。xとyが、りんごとみかん、○1、△1に変わっているだけです。
 
続きは次回に

2016年9月18日 (日曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その8

前回からの続きです。
 
「毎時45kmの速さで1時間36分かかる道のりを、毎時60kmの速さの自動車で行くと何時間何分で行きますか。」
 
ふつうに道のりを求めて、その道のりを毎時60kmで進んだときの時間を求めてもよいですが。
 
比を使うと
 
毎時45kmで行っても毎時60kmで行っても同じ道のりの話なので、道のり一定から速さと時間は逆比の関係です。
45:60=3:4なので、かかる時間の比は4:3です。
毎時45kmのとき、(1時間36分=)96分かかっています。
④は96分なので、③は(96÷4×3=)72分です。よって、1時間12分です。
 
「ふつうは24分かかる道のりを、今日はいつもより時速8km速くしたので8分速く着きました。いつもの時速は何kmですか。」
 
これも同じですね。
 
方程式では、求める時速をxkmとして、24/60x=(24-8)/60(x+8)です。
 
比では
 
ふつうと今日でかかった時間の比は(24:24-8=)3:2です。
道のりは等しいので、ふつうと今日の速さの比は2:3になります。
これを②、③とすると、差の①は時速8kmなので、いつもは②=時速16kmです。
 
「A町からB町まで往復するのに、行きは毎時3km、帰りは毎時5kmの速さで進むと往復3時間12分かかります。A町とB町の間の道のりは何kmですか。」
 
これまた同じです。もう使えるのではありませんか。
 
よろしければ、Thinking Time
解けましたか。
 
方程式ではふつうA町とB町の間の道のりをxkmとして立式します。
 
比では
 
道のりが等しいので、行きと帰りの時間の比は5:3です。これを⑤、③とします。
⑤+③は3時間12分なので、⑧は192分、⑤は120分=2時間です。毎時3kmで2時間の道のりなので、(3×2=)6kmです。
 
「Aが6分で行く距離をBは10分で行きます。Bが出発して12分後にAが追いかけると、Aは何分でBに追いつきますか。」
 
AとBの速さがわかっていれば旅人算の典型的な問題です。
この問題では速さがわかっていないので、まず速さの比を考えます。
Aが6分で行く距離をBは10分で行くので、速さの比は5:3です。
A、Bの速さを⑤、③とします。
 
旅人算的な解き方は、
 
Bは先に12分進んでいるので、Aが出発するとき、(③×12=)○36離れています。
○36を速さの差(⑤ー③=)②で追いかけるので、AはBに(○36÷②=)18分後に追いつきます。
 
まるっきり比で解くと、
 
AがBに追いついたとき、AとBは等しい道のりを進んだはずです。
このとき、かかった時間の比は速さの逆比の3:5です。
追いつくまでAは③の時間、Bは⑤の時間進んでいたので、(⑤ー③=)②が時間の差の12分です。
よって、①は6分なので、Aは(③=)18分で追いつきました。
 
算数の解き方は様々です。どれが正しいとか間違っているとか(根本的に間違っていれば別ですが)ありません。あるとしたら、どの方法が鮮やかなのか、またはどの方法が子どもにとってわかりやすいのかに尽きます。
一種宗教的なこともあり、線分図派はその他の解き方を邪教とし、面積図派はてんびんを安直な方法として忌み嫌ったりすることもあります。
自分の解き方、教え方にこだわりがあるのは悪くはないでしょうが、他を認めないのはどうでしょう。算数だからこそ柔軟に見る目、考える頭を持ちたいものです。あ、自戒を込めて。
 
やや難しめの問題でしめくくりましょう。麻布中の問題です。
 
「列車A、Bはそれぞれ一定の速さで、並行する線路の上を逆向きに走っています。ある地点を列車の先頭が通過してから最後尾が通過するまでの時間はAが15秒,Bが20秒です。また、AとBがすれ違うのに要する時間は18秒です。列車AとBの速さの比と長さの比をそれぞれ求めなさい。」
 
列車AはAの長さを15秒で進みます。
列車BはBの長さを20秒で進みます。
また、すれ違うときの距離はAとBの長さの合計で、これは18秒です。
 
すれ違うとき、列車AはAの長さを15秒進み、あと3秒残しています。
このとき、列車BはBの長さを18秒分進みますが、あと2秒足りません。
つまり列車Bの2秒の距離を列車Aが3秒進んで補っていることになります。
 
このことから、列車Aが3秒で進む距離は列車Bが2秒で進む距離と等しいことがわかります。
よって、列車Aと列車Bの速さの比は時間の逆比の2:3です。
 
長さの比は、Aは②の速さで15秒進んで○30、Bは③の速さで20秒進んで○60となり、
30:60=1:2です。

2016年9月16日 (金曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その7

「等しいところに着目し、比を駆使して解く」のが算数独特の解法であることを紹介してきました。その使用例をもう少し見ていきます。
 
「りんごを4個とみかんを5個買うと、代金は1550円です。また、りんご3個とみかん4個の値段は同じです。りんごは1個何円ですか。」
 
方程式での解法では、りんごとみかんの1個の値段をx、yとおいて連立方程式が一般的です。
 
比を使っての解法は、
 
A×3=B×4が成り立つとき、A:B=4:3です。
 
つまり、りんご3個とみかん4個の値段は同じなのでりんご×3=みかん×4から、
りんご1個の値段は④、ミカン1個の値段は③とおけます。
(このことは「全体の金額が同じなら1個の値段と個数の関係は逆比」と教わります)
 
りんご4個の値段は④×4=⑯、みかん5個の値段は③×5=⑮なので、16+15=31から、
○31は1550円です。(○は⑳までしか表記できないので○31としました)

①は(1550÷31=)50円にあたるので、りんごは1個(50×4=)200円です。
次のはどうでしょう。
 
「1個200円のケーキを何個か買うつもりでしたが、大安売今日は1個150円で売っていたので、同じ金額で予定より2個多く買うことができました。ケーキは何個買う予定でしたか。」
 
方程式の解法では、予定の個数をx個として、200x=150(x+2)です。
 
200×A=150×Bならば、A:B=3:4です。
予定では③個、実際は④個買いました。
④は③より2個多いので、①は2個にあたります。
よって、(2×3=)6個買う予定でした。
 
同様の解き方ができる速さの問題があります。次の問題は初めて習うとき(比を習う前)過不足算で教わるのが一般的です。
 
「太郎君が家から公園まで毎分80mの速さで歩いて行くと予定時刻より4分遅くつき、毎分120mの速さで走って行くと予定時刻より8分早く着きます。家から公園まで何mありますか。」
 
方程式の解法では、道のりをxmとするか、歩いて行く時間をx分として解きます。
 
算数で比を使った解法は
 
毎分80mで行っても毎分120mで行っても家から公園までの道のりは一定です。
道のりが等しいとき、速さと時間は逆比の関係になります。
 
毎分80mと毎分120mの比は2:3なので、これにかかる時間の比は3:2です。
毎分80mで行ったときと毎分120mで行ったときの時間を③、②とすると、この差が(4+8=)12分なので、①は12分です。
よって、毎分80mでは(③=)36分かかっているので(80×36=)2880mです。
 
折角なので、次回、もう少し比を使って解く速さの問題を見ていきましょう。

2016年9月14日 (水曜日)

「難関中学に合格する図脳トレーニング」訂正とお詫び

申し訳ございません。
新著「難関中学に合格する図脳トレーニング」に間違いがありました。
ご購入いただいた皆様、ご迷惑をおかけします。
 
問題30の図(67ページの下の図)に間違いがありました。
読者様並びに関係者の方々にご迷惑をおかけしたこと、この場を借りて深くお詫びし、以下のように訂正させていただきます。
Zuno_t1_5

2016年9月10日 (土曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その6

問題をもう少し見ていきましょう。
 
算数では等しいところ、変わらないところがポイントになります。「等しく変わらない」ところを「一定」といいます。
 
「Aの金額はBの金額の2倍でしたが、Aが300円もらったので、Aの金額はBの金額の3倍になりました。はじめのAの金額は何円ですか。」
 
Aは300円もらっているので金額は変わっていますが、Bの金額は前後で変わっていません。
 
よって、一定なのは「Bの金額」です。
AはBの2倍なので、はじめのA、Bの金額は2:1です。
Bの金額を①とすると、はじめのAの金額は②、300円もらったあとのAの金額は③なので、(③-②=)①が300円にあたります。
Aのはじめの金額は(②=)600円です。
 
方程式も等しい2つの数量を文字式で表し、それを等号(=)で結んで立式します。
 
はじめのAの金額をxとすると、Bは1/2x、300円もらうとAがBの3倍になったので、
 
x+300=3×1/2x
 
大差ないように見えますが、方程式は等しい2量を表すまでが重要で、算数では等しいところに注目し、ダイレクトに意味を考えて解きます。
 
「姉の所持金と妹の所持金の比は3:1です。いま妹が母から600円もらったところ、2人の所持金の比は6:5になりました。姉の所持金はいくらですか。」
 
1問目と同じです。
姉の所持金は変わっていません。
よって「等しいところは等しくする」ために、はじめとあとの姉の金額を⑥にそろえます。
するとはじめの妹の所持金は(1×②=)②、あとの金額は⑤なので、増えた(⑤-②=)③が母にもらった600円です。
①は(600÷3=)200円なので、姉の所持金(⑥)は(200×6=)1200円です。
 
「AはBの3倍のお金を持っています。2人とも1200円を使ったので、残金はAがBの7倍となりました。Aがはじめに持っていた金額はいくらですか。」
 
「2つの数量に同じ数をたしたりひいたりしても差が変わらない」(差が一定)
 
算数では大事な発想のひとつです。
 
AとBは同じ金額(1200円)ずつ増えているので、AとBのはじめの金額の差と、あとの金額の差は変わっていません。
はじめの(3-1=)2倍と、あとの(7-1=)6倍を、等しいところは等しくして、金額の差を⑥にそろえます。
A、Bのはじめの金額は(3×③=)⑨、(1×③=)③、
あとの金額は⑦、①
とわかるので、(⑨-⑦=)②が1200円とわかります。
はじめのAの金額(⑨)は(1200÷2×9=)5400円です。
 
入試頻出の差一定の倍数算です。
 
「AとBの所持金の比は3:1でしたが、AがBに350円あげたので2人の所持金の比が2:3になりました。Aがはじめに持っていた金額はいくらですか。」
 
「やりとりは和が変わらない」ので、はじめのAとBの金額の合計と、あとのAとBの金額の合計は変わっていません。
 
はじめのAとBの金額の比の合計は(3+1=)4、あとの金額の合計は(2+3=)5なので、この4と5を最小公倍数の20にそろえます。
A、Bのはじめの金額は(3×⑤=)⑮、(1×⑤=)⑤、
あとの金額は(2×④=)⑧、(3×④=)⑫
とわかるので、AがBにあげた350円は(⑮-⑧=)⑦になります。
よって、はじめのAの金額(⑮)は(350÷7×15=)750円です。
 
これは和が一定の倍数算です。
 
「A君とB君の所持金の比は4:7でしたが、A君は800円もらい、B君は640円使ったので2人の金額は等しくなりました。はじめのB君の所持金はいくらですか。」
 
残金が等しくなったときも「差が一定」になります。
 
はじめのA、Bの所持金を④、⑦とします。Aは800円もらい、Bは640円使ったので、差は(800+640=)1440円縮まりました。これが(⑦-④=)③なので、はじめのBの⑦は(1440÷3×7=)3360円です。
等しいところに着目し、比を駆使して解く、これが○を使った解き方のコツでしょうか。
 
もう少し続けます。
 

2016年9月 8日 (木曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その5

マルイチは割合や比にからむ問題に多く使われます。○や△や□の中に数字を入れて使います。

数学で使用するとしたら相似などの辺の比や面積比などでしょうか。長さの比として内分、外分でも使うことがあります。もっとも数学ではAB:BC=2:3、AB=2/5BC(5分の2BC)などと表記するのも一般的ですから、場合によっては○を1度も使わずに大人になった方もいらっしゃるかも知れません。いえいえそれは決して悪いことではありませんし、中学受験で算数をやったことがなければ一生目にふれない問題も多々あります。大人のたしなみとして見ておくべきだったかというとそんなこともありません。
 
○の正体は未知数xです。
 
何だ、やっぱり方程式を算数流に書き直したものか。いえいえ、そういうものもありますが、実体はやや違います。
 
具体的に問題を見ていきましょう。
 
「全部で60個のあめがあり、このあめを兄と弟の個数が3:2になるように分けます。このとき、兄はあめを何個もらえますか。」
 
いわゆる「比例配分」です。
 
兄と弟の個数を③、②とします。
(③+②=)⑤=60から、①=(60÷5=)12、③=(12×3=)36個です。
 
数学では、比例配分から、60×3÷(3+2)=36とするか、
兄の個数をx、弟の個数をyとして
 
x:y=3:2、x+y=60
 
の連立方程式、または
 
兄の個数をx、弟の個数を2/3x(3分の2x)として、
x+2/3x=60
 
でしょうか。
 
これはそれほど違いが見えませんか。
 
では次の問題はどうでしょう。
 
「ある本の5分の2を読むと72ページ残っていました。この本のページ数を求めなさい。」
 
5分の2を読んだ残りは(1-2/5=)3/5なので、72ページは5分の3にあたります。
 
72÷3/5=120(ページ)
 
これが算数の基本の解き方です。
 
比を使うと、
 
ある本の全体のページ数を⑤とすると、読んだのは②なので残りは③、
③=72なので、①=24から、⑤=120(ページ)
 
となります。
 
方程式では、ある本の全体のページ数をxとすると、
 
x-2/5x=72
 
ですか。
 
……
 
続きはまた次回に。

2016年9月 6日 (火曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その4

算数のアイテム
受験算数には数学ではあまり使われない独特のアイテムがあります。
 
このアイテムには解くために使うもの、解きやすいように考えをまとめるためのもの、その両方のためのものがあります。
 
独特のアイテムとは、線分図、面積図、ダイヤグラムなどがその代表です。
 
線分図は数学で使ってもよい場面がたまにはありますが、必ず使った方がよいというわけでもありません。また、算数でも数学でも、速さで進行の様子や道のりを表す線を使うことがありますがこれは線分図ではありません。
線分図は主に割合や和と差の問題で使います。
 
面積図は数学では使いません。これこそ算数独自のものといえます。使う問題によって面積図はいくつか種類があります。有名なものではつるかめ算の面積図です。他に平均の面積図、過不足算の面積図などがあります。もっとも過不足算については、これを使って解く(教える)のは最早少数派ではないでしょうか。
てんびんというものもありますが、これは平均の面積図の簡易版といえます。食塩水の問題でよく使います。
 
ダイヤグラムは数学でも使いますが、使い方は異なります。進行の様子を視覚的にとらえることは同じですが、算数では図形的にとらえ相似などを駆使して解く解き方があります(以前、これに特化した問題集を出しました。講師仲間には評判がよかったのですが今は廃刊となっています)。数学ではもちろん関数なので式と座標がメインです。
 
算数では、何を使ってどう解くかが算数の講師冥利に尽きるところです。
同じ問題を解いても講師により表現法、解法は様々です。極端に言えば、何でも線分図で押し通すのもあれば式メインで教えるのもあり、解法は講師に任されているのが一般的です。そのことに自由な塾では講師が変われば解き方が変わることは珍しくありません。これは数学ではあり得ないことです。教えるための補助として図や表を用いたとしても、それはあくまでも補助であり、同じ方程式、同じ解法になることがほとんどです。鮮やかな解法も登場しますが、それはすぐメインとなります。
 
この講師冥利に尽きるところがご家庭で算数を教えづらくする一因かも知れません。解き方にこだわる講師も多く、家では違う解き方で教えないでくださいという方もいますしね。
他に独自の表現方法としてはマルイチというものがあります。手っ取り早く算数の解法を身につけるとしたらこの使い方に精通するのがよいでしょう。
 
ということで次回はこのマルイチについてお話しします。
 

2016年9月 3日 (土曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その3

途中に□のある計算とは、たとえば次のような式です。
 
2.4-0.75×(3-□)=1.05
 
標準的な算数の入試問題は1番に計算、2番に一行小問、その後、大問と続くものが多く、途中に□のある計算は1番に登場することが多いです。
 
上記の計算の□をxに変えると、
 
2.4-0.75×(3-x)=1.05
 
となり、これはこのまま方程式です。
 
よって、この式を解くにはまず両辺を100倍し、240を移項して……、ちょっと待ってください。
 
それでは子どもに嫌われます。
 
基本は逆算です。
 
式の構成から、
 
3から□をひき(A)、0.75をかけた数(B)を2.4からひく(C)と1.05になっています。
 
これを逆算すると、
2.4から何かをひいて1.05になったのだから、何かは2.4-1.05=1.35(C)
 
0.75に何かをかけると1.35になったのだから、何かは1.35÷0.75=1.8(B)
 
3から□をひくと1.8になったのだから、□は3-1.8=1.2(A)
 
よって□は1.2です。
 
また、少し言い回しを変えると、
 
かけ算、わり算、( )はひとかたまりです。
 
この式は、大きく見ると、2.4-○=1.05のひき算です。
よって、○は(2.4-1.05=)1.35です。
 
○はもともと0.75×(3-□)なので、0.75×(3-□)=1.35となり、これはかけ算です。
 
3-□は(1.35÷0.75=)1.8です。
3-□=1.8となり、式はひき算となり、□=3-1.8=1.2です。
 
算数の基本は「加減乗除」です。
 
あらゆる算数の問題の根源・発想は「和差積商」です。
 
算数は具体に向かい、数学は抽象に向かいます。
 
方程式の「移項」や「両辺~倍」は等式の扱い、式変形です。これは手作業です。方程式さえ立式すれば、あとは方程式を解くのみ、その意味は問いません。
 
一方、逆算は、その加減乗除の意味を考え、順番にそってひとつずつ解きほぐしていきます。
もちろん逆算も慣れてしまえば式操作の一種であり、手作業にはなりますが、根本には「加減乗除」の意味を説いていることは認識できるのではないでしょうか。
加減乗除のルールを理解することが、途中に□のある計算の学習の意味のひとつです。

2016年9月 1日 (木曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その2

逆算と方程式について
 
算数が苦手な子どもが不得意とする問題には共通しているところが多々あります。
単元としては、計算、単位、数の性質、場合の数などでしょうか。
難問奇問などを除いても、個々の問題を詳しく見ると、その他の単元にもこういう問題は大抵できないという問題があります。
 
計算分野では途中に□のある計算です。
 
なぜできないのか。
 
計算問題の練習不足という理由はあります。もちろん、練習不足はどの問題においてもいえます。類題演習など数多くやればやっただけ理解は深まり定着します。それができない理由は、進学塾ならどの塾のカリキュラムもほぼ1週間をサイクルとして次の単元に移りますから、そればかりやってるわけにはいきません。よって子どもの理解度、問題の重要度に応じてメリハリをつけた家庭学習が大事になります。
 
途中に□のある計算ができないのは上記の理由以外では、ルールの徹底がなされていない、ルールを理解していない、ルールに無頓着であることに尽きます。
 
算数や数学はルールの世界です。
 
最先端数学でもなければ基本のルールは必ず守られます。
 
昨日はたしたけど、今日はひくということはありません。日によって公式が変わることもありません。
 
問題を解く上で自由な発想は大いに歓迎しますが、それはルールに則ってのことです。
勝ちたいがためにゲームや現実社会で権力者が自分に都合よくルールを変えることはあると思いますが、それを算数や数学にやってしまうと正しい解答に至るわけがありません。
かけ算、わり算はたし算、ひき算よりも先に計算、たし算、ひき算を先にやりたければ( )がついている。その上で左から右に計算していく。これが大原則です。
 
途中に□のある計算はそれをもとに逆算していくことになります。
 
このお話の続き、また次回に。

« 2016年8月 | トップページ | 2016年10月 »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

賛数仙人

無料ブログはココログ

最近のトラックバック