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2016年10月 9日 (日曜日)

自宅で我が子に算数を教える方のために  その13

つるかめ算は応用範囲が広い解法のひとつです。
 
次の問題は数学の連立方程式でもよくでる問題です。よって消去算でも解けますが、つるかめ算を応用して解くこともできます。
 
「ある中学校の生徒数は、昨年は男女あわせて1000人でしたが、今年は男子が10%減り、女子が20%増えて、全体では20人増えました。
昨年の男子は何人ですか。
また、今年の女子の人数は何人ですか。」
 
もし、男女ともに10%減だとしたら今年の合計の人数は(1000×0.9=)900人です。
でも本当は(1000+20=)1020人で、実際との人数の差は(1020-900=)120人です。
この120人は女子が10%減ではなく、20%増加だったためです。
よって、昨年の女子の人数は(120÷(0.1+0.2)=)400より400人です。
昨年の男子の人数は(1000-400=)600人とわかります。
以上から、今年の女子は(400×(1+0.2)=)480人です。
 
練習してみましょう。
 
「品物AとBを買うとき、いつもはあわせて6000円支払いますが、今日はAが15%値上がりし、Bは20%値引きしてくれたので、360円安くすみました。
いつものBと、今日のAは何円ですか。」
 
もしAとBのすべてが15%値上がりしたとすると(6000×1.15=)6900円です。
でも本当は(6000-360=)5640円支払いました。
この差の(6900-5640=)1260円はBの値段が15%値上がりではなく、20%引きだったからです。
よって、いつものBは(1260÷(0.15+0.2)=)3600円です。
いつものAは(6000-3600=)2400円なので、今日は(2400×1.15=)2760円でした。
 
その他、いろいろなつるかめ算を見ていきましょう。
 
つるかめ算の一種で俗名「弁償算」というものがあります。
 
たとえば次のような問題です。
 
「1題できると10点もらえ、まちがえると逆に8点ひかれるという10題のテストがあります。このテストで得点が46点であったとき、何題間違えましたか。」
 
方程式で見ると、x問正解して、y問まちがえたとして、
 
x+y=10
10×x-8×y=46
 
となります。
 
これは「和・差」になっていますね。
 
弁償算で解いてみましょう。
 
「もしも全部正解だったら」(10×10=)100点です。
ところが「本当は」46点です。
(100-46=)54点減っているのは、10点もらえないで8点引かれたからです。
つまり、1問まちがえると正解したときと比べて(10+8=)18点損をするわけです。
全部で54点損をしているので(54÷18=)3問まちがえたことがわかりました。
 
式上での「差」をうまく「和」に変換しています。
 
これを面積図で解く方法もありますがいささか強引な気がします。理屈がわかれば難しくありませんので無理に使う必要はないでしょう。
つるかめ算の面積図もそうですが、その意味を考えずに、または意味を忘れて使用しているとその問題が解けても他で応用が利かなくなります。
 
よくある問題をもう1問。
 
「コップを運ぶのに1個運べば3円もらえますが、こわしてしまったらこわした分の運賃はもらえず逆に100円はらいます。
Aさんは500個運びましたが5個こわしました。Aさんの運賃は何円ですか。
また、Bさんは1000個運んで2382円もらえました。Bさんがこわしたコップは何個ですか。」
 
Aさんの方はふつうに求めてもよいでしょう。
500個のうち5個こわしたので495個で(3×495=)1485円もらえます。
5個こわした分は(5×100=)500円支払わなければなりません。
差し引き運賃は(1485-500=)985円です。
 
つるかめ算的には、500個すべて運ぶと(3×500=)1500円もらえます。
1個こわすとこわさなかった場合と比べて(3+100=)103円損します。
5個こわした分で(103×5=)515円損するので、運賃は(1500-515=)985円です。
 
Bさんの方が弁償算の問題です。
 
すべて運ぶと(3×1000=)3000円もらえます。
でも本当は2382円なので(3000-2382=)618円損しています。
1個こわすと103円損するのでした。
よって(618÷103=)6個こわしました。
 

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